木村秋則さんは、無農薬・無肥料の自然栽培でりんごを栽培しています。NHKの「プロフェッショナル」に出演し、ご存じの方も多いと思います。今日、そのプロフェッショナルの番組を使って、勉強会をしました。彼のキャリアから学ぼう、というわけです。
木村さんの生き方に感動しました。討議も実りあったと感じます。
高校卒業と同時に東京に就職。その後、りんご農家の婿養子となります。トウモロコシ生産で大成功を収めますが、肝心のりんご栽培では、家族が農薬で寝込んでしまうのに悩みます。あるとき出会った米の無農薬栽培の本をたよりに、りんごの無農薬無肥料栽培に乗り出しました。
毎年病害虫におそわれるものの、年々無農薬の畑を増やし挑戦する木村さん。一方で、無農薬りんごにかけるために、トウモロコシ畑や水田を売ってしまいます。無収入に追い込まれ、近所や親戚からは「かまど消し」とののしられ、6年目には死ぬつもりで岩木山に入ります。そこで見たドングリの木からりんご栽培のヒントを得て、山から生還。まさにコペルニクス的転回の体験でした。りんごではなく土を見るというものです。スタートから8年後無農薬無肥料による、りんご栽培に成功します。
りんご栽培の農家である木村さんは、いかによいりんごを作るかを追求していきます。でも、私が印象的だったのは、最後はりんごでなく土に答えを見いだしたということです。山に花を咲かせる樹木の下には、ふかふかのよい土があると。その土を再現すれば、りんごができると確信したこと。
私たちの仕事に通じることはないでしょうか。
参加した会社経営者が、自分にとってのりんごは会社の製品である。もちろんよい製品をつくりたい。でも、必要なのは社員が元気に働けることだと、あらためて思った、そうすればよい製品ができる、と発言しました。私も心から同意します。
私たちは、私たちのりんごを追い求めています。それが使命と信じています。たしかに、それは間違いないと思います。でも、それだけでは片手おちなのではないか、と疑うべきでしょう。むしろ、土壌を生かすことこそ、取り組むべきことだと思います。
私たちの土壌は何でしょうか。土壌を生かすために、誰とどのようにカレンシーを交換するでしょうか。
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