2013年12月23日月曜日

あなたには力がある

あなたには、自分で思っているよりも遥かに人を動かす力がある。あなたが使えるリソースには何があるかを把握しておけば、難しい場面でも人を動かせるようになるのだ。(『影響力の法則〜現代社会を生き抜くバイブル』2005 デビッド・ブラッドフォード&アラン・コーエン 税務経理協会 P119)

    今年も数多くの優れたマネジャーたちとお話しする機会に恵まれました。みなさんが優れた専門知識を持ち、すばらしい経験と実績を積んでおられることに、感銘を受けました。あるマネジャーは、セールスプロモーションのプログラムを企画しクライエントの新製品の販売を助けており、別のマネジャーは薬剤の開発を通じてがん患者のQOL改善に取り組んでいました。ご自分の仕事に誇りを持っており、楽しんでいるマネジャーの話を伺うのは、私にとっても大きな楽しみです。
   一方で多くのマネジャーが「自分にはたいした力はない」と思っているのには驚きます。権限がないから、上司が反対するから、だから会社では思うような仕事ができない、と口にするのです。

   でもそうでしょうか。
   「影響力の法則」では、人を動かす力は、“カレンシーの交換”によって引き出されると考えます。相手にとって価値ある何か(カレンシー)を受け取れば、相手はこちらに協力したくなるというものです。たとえば、金銭的な報酬は、高い目標を達成させるためのカレンシーになるのかもしれません。営業担当者には、このインセンティブに動機付けられて仕事をしている人が多いでしょう。
   しかし、現実に何がカレンシーになるかは、相手が置かれている状況によってさまざまです。承認、励まし、感謝などで、相手の力を発揮させられることが多いと思います。上司から日頃の努力への感謝の言葉を聞いた時、この上司のために全力を尽くそうと思った、といった話をしばしば聞きます。任されたとき、仲間に信頼されていたとき、力を発揮できたとも聞きます。上司に対してはどうでしょうか。上司にとってメンバーのコミットメントほど心強いものはありません。「必ずやりとげます!」というひとことと、その裏付けは大きなカレンシーになります。
   実際は、私たちはいろいろな方法で関係者を動かしているのです。
   つまり、様々なリソースがカレンシーになりうるということ。交換モデルを使えば、可能性はぐっと開けるのですね。それは「あなたにもできる」ということです。新しい年、今までムリと思っていた状況が変わりますように。