2012年12月24日月曜日

クリスマスです

 クリスマスおめでとうございます。お祝いです。家族に信徒がいるので、ミサにいって参りました。

 クリスチャンは世界で20億人。最大の信徒数を誇る宗教です。2000年でここまできている。思えばすごい影響力です。

 キリストが産まれたのは、人々の罪と苦しみをいってに引き受けるためだとのこと。今日、神父のお話を伺いながら、改めてキリスト教は救いの宗教だともいました。救いこそが宗教の本質で、単なる思想との違いであると読みましたが、なるほどその通りだなと。

 磔になってくださって、これで信徒の業が落ちるとなったら、これほど大きなカレンシーはなかなかありません。(業という仏教用語で説明する自分に笑ってしまいますが)

 リーダーがもしそういう役を引き受けたら、どうなるんでしょう。顧客や上司からの圧力をすべて引き受けてくれたら、どうなるでしょうか。
いつか影響力が高まるのは間違いないですね。

2012年12月23日日曜日

りんご農家 木村秋則さん

 木村秋則さんは、無農薬・無肥料の自然栽培でりんごを栽培しています。NHKの「プロフェッショナル」に出演し、ご存じの方も多いと思います。今日、そのプロフェッショナルの番組を使って、勉強会をしました。彼のキャリアから学ぼう、というわけです。

 木村さんの生き方に感動しました。討議も実りあったと感じます。 

 高校卒業と同時に東京に就職。その後、りんご農家の婿養子となります。トウモロコシ生産で大成功を収めますが、肝心のりんご栽培では、家族が農薬で寝込んでしまうのに悩みます。あるとき出会った米の無農薬栽培の本をたよりに、りんごの無農薬無肥料栽培に乗り出しました。
 毎年病害虫におそわれるものの、年々無農薬の畑を増やし挑戦する木村さん。一方で、無農薬りんごにかけるために、トウモロコシ畑や水田を売ってしまいます。無収入に追い込まれ、近所や親戚からは「かまど消し」とののしられ、6年目には死ぬつもりで岩木山に入ります。そこで見たドングリの木からりんご栽培のヒントを得て、山から生還。まさにコペルニクス的転回の体験でした。りんごではなく土を見るというものです。スタートから8年後無農薬無肥料による、りんご栽培に成功します。

 りんご栽培の農家である木村さんは、いかによいりんごを作るかを追求していきます。でも、私が印象的だったのは、最後はりんごでなく土に答えを見いだしたということです。山に花を咲かせる樹木の下には、ふかふかのよい土があると。その土を再現すれば、りんごができると確信したこと。

 私たちの仕事に通じることはないでしょうか。

 参加した会社経営者が、自分にとってのりんごは会社の製品である。もちろんよい製品をつくりたい。でも、必要なのは社員が元気に働けることだと、あらためて思った、そうすればよい製品ができる、と発言しました。私も心から同意します。
 私たちは、私たちのりんごを追い求めています。それが使命と信じています。たしかに、それは間違いないと思います。でも、それだけでは片手おちなのではないか、と疑うべきでしょう。むしろ、土壌を生かすことこそ、取り組むべきことだと思います。

 私たちの土壌は何でしょうか。土壌を生かすために、誰とどのようにカレンシーを交換するでしょうか。

2012年12月19日水曜日

若い夫婦の転居

 若い友人夫妻。最近妻が夫の転職にあわせて引越しをしました。彼女は不本意ながら会社もやめて、彼について行ったのですね。

 おそらく奥さんは、夫の都合で自分が振り回されたと思っています。あまり心地よくないでしょう。夫は妻に借りができた、ということでしょう。こんなことは、どちらの夫婦にもよくありそうです。

 さて、ここで夫はどう対応するのが良いでしょうか?

 借りがあると認識していることは、ちゃんと伝えるべきです。私たち、多少の理不尽なことがあっても、相手もわかってるんだと思うと、少し安心します。また、いつか返そうとしているとも受け止めます。だから、もうちょっとわがまま聞いてもいいかな、などと寛容にもなれます。

 その上で、これから借りを返していけば、信頼が高まりそうです。

 逆に妻の自己犠牲を理解していないと妻が思えば、不信が募りそうですね。

 カレンシーをもらってますよ、感謝してますよ、と伝えるだけで、ずいぶん違うと思います。お客、上昇、部下に対しても同じですよ。

2012年12月16日日曜日

キャリアの変更

 前回「裏切りはネガティブに効く」と書きました。それに関して、もう一件。
 この秋、携帯電話のキャリアを変えました。本当はそのような面倒なことは避けたかったのですが、iPhoneに切り替えたかったのがきっかけです。それまで使ってきたキャリアは、半年ごとに「iPhone導入か?」との記事が出るものの、それは果たされませんでした。今回も、昨年年末、日経ビジネスオンラインで、「来夏導入」との記事が出ており、私の期待が高まりました。「よし、待とう」と。

 この「よし、待とう」がどうなのかと思います。待った末に来なかったら、その心理的な落差は大きいですね。その間、このキャリアは、メールが配信できない、つながらないというトラブルを再三起こしました。それは、たまたまだったと思いますが、そういうトラブルも期待が大きいとことの他おおごとのように感じてしまいます。

 期待するのは、カレンシーを支払っている状態です。「いつかもっとよくなる」と期待すればするほど、支払いは大きくなっていきます。カレンシーを払うほどに見返りを期待するのは、レシプロシティからしてごくごく自然のことでしょう。キャリアの変更は、冷静に見れば余計な費用だったと思います。事実、前に使っていた端末の調子が悪くなってきたときに、直前まで同じモデルを買おうと思っていたぐらいです。でも、止められなかった。そのうえ、「相手が期待を裏切ったから」という言い訳まで考えてしまう。

 つくづく、相手の期待を裏切ることの怖さを感じます。裏切れば、ネガティブなカレンシーがかえってくる。そのインパクトは合理的な理屈以上です。

 さて、新しいiPhoneは期待に違わないすぐれた製品、サービスだと思います。なるほどみんながいっていたとおりです。でも、今度はAppleへの期待も高まっていくでしょう。それに応えないと思えば、同じような体験を避けられない。消費者にとってもジレンマが続きますね。

2012年12月13日木曜日

選挙の情勢に思う

 各メディアの衆議院議員選挙の情勢をみると、自民党と公明党で300議席を上回るとのこと。2009年の政権交代から3年で、また自民党政権に戻りそうです。民主党は80議席前後というのが、朝日、日経などの予測です。ざっと、3分の1か。

 私が感じるのは、裏切られたという心理は、とても大きく働くということ。混乱しましたからね。そこに、震災や領土問題が発生し、混乱に拍車をかけてしまった。変化には混乱がつきもので、その混乱を乗り越えるにはやはり相応のリーダーシップも必要。我慢を強いなければならないからです。しかし、その点もうまくいかなかった。期待したぶん、裏切られた感じがするんでしょう。ですから、公約と関係なく、与党は逆風を受けていると感じます。

 よって、これまでなら「圧勝」報道にはカウンターバランスが働くけれども、今回はそうならないんじゃないか。逆に勢いがある方がもっと勢いづくような気もします。

 ネガティブなカレンシーの力は、なかなか止められない。「裏切り」はもっともネガティブに効きます。気をつけましょう。

2012年12月12日水曜日

社内の承認

 どのような業務にも、それを進めようとすれば承認が必要となります。上司、法務、人事、など、関係者の承認があって初めて進められることが多いですね。中には、権限が委譲されて自分で決められることがあります。エンパワメントです。いずれにしても、意思決定が組織を動かしているといってもいいでしょう。

 承認を得るのに必要なことは、その必要性を示す(データやエビデンスがあるとよい)、会社にとっての利益を示すなどが最低限必要。加えて、カレンシーの交換を考えれば、承認者の目標達成に役立つことを説明する、社内で説明するための文書を作成するなどもあります。さまざまな根回しも有効なことが多いですね。

 加えて、影響力のある方は、承認を得られた後で、結果を報告したり、感謝を伝えている。だから、次の機会にも承認が得られやすい。つまり、積極的に交換を続けているんですね。

 承認を当然と思ってはいけませんね。ありがたいことなんです。

2012年12月10日月曜日

学生へのメッセージ

 一昨日、大学の授業がありました。「授業がありました」など、奇妙な表現ですが、今年は集中講座しかお引き受けしていないからです。その分、いつもよりメッセージを強く出してやろうと、気持ちを(少し)高ぶらせて臨みました。何かというと他人事のような反応をする学生たちのことが、気になってもいました。テーマは「キャリア」です。
それは「仕事は工夫すると面白くなる」「相手の立場を考えるとやりがいを感じる」「結果を想像するとやる気になる」、自分の経験を交えて、1時間ぐらい話させてもらいました。自分でいうのもなんですが、熱弁です。

 冷めてる、と言われる若者も正直です。面白いと感じれば、せっせとメモを取ります。その様子をみれば、彼らは彼らなりに私のメッセージを受け取ってくれたんじゃないかと思います。(いいカレンシーになったでしょうか?)

 授業の前より元気に帰って行く姿を見て、やはり若者に真剣にかかわらなければ、と思いを新たにしました。

 元気にインターンシップ期間を過ごして欲しいですね。




2012年12月7日金曜日

左官工

 自宅のある高層住宅では、いま大規模修繕工事を進めています。足場をつくって作業を進めており、廊下の床をはがしたり、高圧洗浄したり。これまでは、はがす一方だったのが、昨日は左官がコンクリートにモルタルを塗っていました。ちょうど折り返し点ぐらいでしょうか。これからどんどんきれいになっていくのかと考えると、楽しみです。

 その左官工、黙々と階段のコンクリートの手すりを塗っているのです。その彼の後ろから
「おはようございます、きれいになりますね。おかげでさまで、本当にありがたい」と声をかけました。階段を足早に下りながらです。心からそう思ったので、口に出してみたわけです。

 すると、手すりにむかって彼は振り返り満面の笑みを浮かべ挨拶を返してきました。

 たぶん、今日1日、いい仕事をしてくれたに違いありません。そして、私もいい気分で1日を過ごしました。

 似たようなご経験は、みなさんにもおありでしょう。部下に気分よく仕事をしてもらおうと思ったら、これぐらいのことはしなければいけない、と改めて思った次第。でも、案外やられていませんよね。私も仕事がら、いろいろな会社に伺いますが、上司が部下に声をかけていない職場は、すぐにわかります。お互いに挨拶しませんからね。そんな職場に、品質問題が起こっても、なんの不思議もありません。新聞などで心配されている会社ほど、声を交わし合うことがないですね。

 部下を道具ぐらいとしか思っていないんでしょうか。その報いは、はっきりとかえってきているようです。


再開します

 しばらく休筆していたこちらのブログを再開します。

 ちょうど、本の執筆が始まり、それに追われているうちに、手をつけられないでいました。そのうえ、Facebookを使ってみようか、などと欲をかいたため、なにがなんだかわからなくなって、SNS難民となっていたというわけです。いろいろまわって、こちらに戻りました。あわせて、新しいBlogサイトに移動しました。

 この1年を振り返ってみると、欧州危機が進み、南欧諸国は破綻の一歩手前まで追い込まれましたね。応急処置をしながら今日に至っています。 
日本では、大震災、原発事故の後、タイでの大洪水にも見舞われ、経済、社会ともに大きな痛手を負いました。中韓両国との間の領土問題が噴出。この夏から景気後退局面に入った日本経済に追い打ちをかけています。社会に目を向けると、深刻ないじめの問題が明らかになり衝撃を受け、先日のトンネル崩落事故では、日本のインフラの経年劣化という課題に直面させられました。

 昨秋、野田政権(野田首相は高校の同窓、先輩です)が発足し、まもなくその役割を終えようとしています。

 私自身を振り返ってみると、おかげさまで多くのお客様とのご縁があり、また大きな課題をいただいた1年と思います。出版の機会にも恵まれました。

 印象としては、交換が滞ってきているように感じます。IMFの報告によると世界の経済成長率は、2010年5.1%、11年3.8%、12年3.3%(見込み)、日本に限って言えば震災やタイの洪水の影響もあり、4.5%、-0.8%、2.2%(同)です。世界貿易量の伸びは、12.8%、5.8%、3.2%(同)と鈍化しています。交換が停滞しているのは一目瞭然です。


 一方、震災後、多くの人々が被災者に思いをよせ、手をさしのべてきています。これは交換、という意味ではよい兆候です。
 グローバル化について、いろいろな意見があると思いますが、私たちの身の回りの交換は滞ってしまわないようにしたいところ。
 円滑な交換が、新たな価値を生んでいくと信じていますから。些細な交換の価値を侮らず、取り組んでいきたい。

 ここでは、日々感じる「カレンシーの交換」を記し、その効果に目を向けていきます