2013年5月26日日曜日

依存への抵抗

成人の大半は依存している状態を好まず、依存から抜けようとする傾向がある。そのため、上司が部下を依存状態にすれば、あらゆる手段を尽くして反発する。(コーエン&ブラッドフォード『Power Up 責任共有のリーダーシップ』税務経理協会p168)

   「従業員の主体性を高めたい」「指示待ちを変えたい」とおっしゃる人事の責任者に、しばしばお目にかかります。これはほとんどの場合、上司の態度に起因するものと思います。指示を待つ、ということは、それだけ指示が多いのですし、主体的でないということは、それだけ支配的なのです。部下は上司の期待に応えているわけです。

   でも、好んで依存しているとは限りません。指示待ちも、積極的な発言がない会議も、むしろ依存状態からの逃避、静かな抵抗かもしれません。多くはそうだ、と本書には述べられています。したがって、抵抗に反応するのは得策ではありません。管理を強化したり、細かい指示を増やすと、部下はますます上司の期待に応えて依存的になってしまうからです。

   ではどうするか。抵抗への効果的な対応は、相手の本音に耳を傾けることです。抵抗する相手は、たいがい表現が下手なので、態度で不満を示してしまう。そこで、きちんと表現させる。

   上司が部下の話しに耳を傾けるのは、なにも親身になることが目的ではなく、表現すれば問題が解決すると学ばせる、そうして、問題解決に関われれば、依存状態から抜け出せると学ばせることです。結果、彼らの主体性が高まった、と実感できるでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿