2013年5月20日月曜日

カレンシーの交換の入り口

文句や反論にあっても、それを相手がどうしようもない人間だという証拠だと考えてはいけない。抵抗を受けると、相手の性格のせいだと決めつけたくなる。しかし、相手は全く異なった基準で業績が評価されるのかもしれないし、異なった目標を背負っているかもしれないのだ。または、あなたの知らないプレッシャーに喘いでいる可能性もある。(コーエン&ブラッドフォード『続 影響力の法則 ステークホルダーを動かす戦術』税務経理協会p50)

  私たちの依頼に何かと不満を述べるなど快く対応しない同僚であっても、その同僚の力を必要とするなら、相手を知らなければなりません。

  ヒントは、彼らが口にする言葉の中に見つかることが少なくありません。不満に耳を傾けると、繰り返し同じ言葉を口にしていることもあります。例えば「納期」「上司」「現場」などです。こういった言葉には、彼らの優先順位、懸念、疑問が隠されていることがしばしばです。「納期」というのは、「納期を守れないと、リリースに間に合わない。彼はそれがいかに重要かわかっているだろうか?」という懸念かもしれません。「上司』には、「上司の期待に応えたいが、上司は認めるだろうか?」かもしれません。
  ところが私たちは、自分があまり考えることがない疑問には、思いが至りません。その結果、明らかに口にされているキーワードを聴き逃してしまうのです。それはあまりにも惜しい。

  ではどうしたらよいでしょうか。これには、反論や抵抗をチャンスと思って、言葉のひとつひとつに耳を傾けるしかありません。自分が考えもしないことを相手が言っている時こそ、ヒントがあるのです。そして、質問してみましょう。「何か具体的な例を話していただけますか?」「現場の理解を得るには、何があったらよいと思いますか?」などです。質問しながら、あなたが相手を理解している、と相手に感じられるようになると、相手はこちらの目標達成を助ける余裕が出てきます。ここでようやくカレンシーの交換の入り口に立つわけです。

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