2013年2月1日金曜日

ネガティブカレンシーを返さない

 「目には目で、歯には歯で」有名な一節です。「目をとられたら、目を奪い返せ」という理解がまかり通っていますが、「とられた以上のものを奪うな」というのが主旨だそうです。ハンムラビ王が発布したハンムラビ法典が出典です。紀元前1800年頃でしょうか。
 人間関係の交換のルールを示しており、興味深いものです。それをまた「取り返せ」と理解していたのも、興味深いですね。それほど、同じぐらいの価値が交換されるべき、という社会通念が普遍的なのではないでしょうか。

 旧約聖書を読むと、やはり社会や外交が交換で成りたっていると思います。信仰は社会に対する信頼となり交易が発達します。信仰が相手(取引相手)に対する怖れを弱め、交易を盛んにするのかもしれません。やがて信仰が薄れると、弱体化してくるか強大化しておごりがでると、救いの王が出てきて、戦争に勝ってしまう。おもしろいなと思います。
 
 でも、相手を徹底的に追い詰めてしまうのは、すさまじいと感じます。ガザのパレスチナ人が、旧約の時代からイスラエルの民と争っていたというわけです。何千年も。今もイスラエルはパレスチナを攻撃し、パレスチナは打ち返しますが、旧約でも同じことをやっているわけです。ガザで。このネガティブカレンシーの交換は、いつ終わるのでしょうか。長く傷んだ経験は、容易には止められません。双方に止めたくない人がいるのも、わかります。

 民族の紛争は、こうして終わることがないかもしれませんが、私たちの身近な人間関係の紛争は、私たちの気持ち一つで終えることができるはずです。
 ひとつは、顔を合わせないこと。多くの人がやっています。逃げているようだけれども、これもありでしょう。ただ、いつでも避けられるわけではありません。ずっと避けていようと思ったら、誰にも会えなくなってしまう。
 ふたつめは、ネガティブカレンシーを返さないこと。やられても、涼しい顔をしている。忍耐ですね。
 みっつめは、こちらから歩み寄って、互いにネガティブな蓄積を認め合い、清算すること。「どうやって、お互いに埋め合わせようか」と話し合うわけですね。大人の対応。影響力の法則的。

 私としては、みっつめの道を開拓するのが、自分自身にとっても利益があると思います。ネットワークを拡げ、交換の可能性が広がりますから。ふたつめもいいですね。涼しい顔をしていられたらいい。いずれも簡単じゃないです。だから、今日、少しだけ挑戦してみよう、と思うのです。

 明日は、また大勢の初めての人に会えます。さて、どうなるか、楽しみです。

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