2016年2月5日金曜日

チームの形成

 優れた結果を出しているリーダーは、ステークホルダーを味方につけている、というのが、本稿の前提です。どんなに優れたミッションも、関係者が動かなければ変化をもたらせません。社内のプロジェクトでも、客先での案件でも、効果を出すには、現場で動く人たちが変わらなければならない、それにはプロジェクトのステークホルダー、この場合メンバー以外の、例えば現場のマネジャー、従業員、顧客などに影響をおよぼさなければ、半端な成果しかあがらないことがほとんどです。

 そこで、カレンシーを誰とどう交換するかが問われるわけです。

 ステークホルダーを味方につけるためには、日ごろから「カレンシー」を意識しているかどうかが大きいと感じますね。

 例えば、ある営業部門のマネジャーは、社内報で新しい研究案件を見つけると、本社とは離れた事業所にある基礎研究所に足を運んでいました。そうして、情報収集を怠らず、いざという時に研究所長の協力を得られて、他社にはない抜きん出た提案ができていました。

 でも、案外みなさんやりません。このケース、単に情報収集しているだけではありません。本社から話を聞きに来るマネジャーがいたら、それだけで地方の研究所のメンバーは嬉しいはずです。聴きに行くこと自体が、大きなカレンシーになるのです。私があった大規模のプロジェクトのリーダーは、みなさん、離れた事業所に話を聴きに行っていました。でも、案外みなさんやりません。

 逆に、自分の思う結果にならない時に、嫌な顔をしてしまう人は損していると思います。特に別れ際。気をつけなくては。

「・・・というわけで、人員を増やしていただきたいんです」
「いや、今はそれは無理だよ。今の人材でなんとかしてくれ」
「へえ、そうですか。でもどうなっても知りませんよ」

のような乱暴な反応をする人は普通いませんが、個人的には会ったことはあります。これは嫌な感じです。こいつのために、リソースを投入するのは凄くリスクがある、と感じさせませんか。私だったら、次のチャンスが遠のいたな、と思うな。ネガティヴなカレンシーでしょう。

 メンバー以外のステークホルダーがどう協力してくれるかは、プロジェクトの成否を握りますよ。特に別れ際には気をつけましょう。気持ちよく別れましょう。

 

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