2013年7月24日水曜日

否定的な価値の交換

先述の通り、価値の交換には前向きなものと後ろ向きなものがある。建設的な価値の交換は「あなたの利益になることをしますから、私にも利益になることをしてください」である。対して「あなたがしてくれないのなら、私もあなたのためになることをしません」た、否定的な価値の交換である。(コーエン&ブラッドフォード『影響力の法則 現代社会を生き抜くバイブル』税務経理協会p31)

   うまくいかない相手との場当たり的な交換は、自然に否定的な交換の繰り返しに行き着きます。そうすれば、一時的にはこちらが勝利しても、結果的に双方に不利益をもたらすことになってしまいます。ある若いマネジャーは、ベテランの部下を使いあぐねていました。なかなか指示に従わない。会社への不平を若手社員に吹聴する。チーム全体の士気が下がってしまう、そのベテランが原因になっているようです。マネジャーはその時のいらだちを説明してくれました。「私は、いかにして相手を操作するかに夢中になっていました。でも、それでうまくいくことはありませんでした」
   この流れを変えるには、否定的な価値の交換を止めなければなりません。そもそも、否定的な交換が行われていることを認識しなければなりません。

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