2018年9月11日火曜日

パワハラのネガティブな結末

 先日ある会社のマネジャーたちにインタビューする機会がありました。その会社は決して年功序列、というわけではなく、力があれば若くしてマネジャーになれます。なかなかの人物たちに会えたのは収穫でした。

 ところが、相次いで聞かされた彼らの苦労話には、改めて考えさせられました。それは「年上の錆びついたマネジャー」のことです。業績不振はもちろんのこと、上司に報告・相談しない、勝手に決める、お客の話を聞かない、嘘をつく、など“問題行動”も枚挙にいとまがありません。彼らの仕事が期待を大きく下まわっているので、上司は彼らの仕事を代わってやっている。彼らが帰宅したあとも、上司たちはその仕事をやり直しているというのです。マネジャーたちは疲れ切っていました。

 何が原因でそんなことになっているのでしょう。もちろん長年上司やお客さん任せの仕事をしてきたから、スキルも期待された水準ではないと思います。失敗するぐらいだったらやらない、と考えているようでもあります。そんななかで、上司のパワハラがきっかけになっていたケースがありました。結果が出ないこと、すっぽかしなどを上司から罵倒され続けたというのです。それ以来、心を閉ざすようになったと思う、と深刻に語るマネジャーの話を聞き、私は「ああ、ネガティブなカレンシーの蓄積は、次世代まで続くんだな」と感慨深い思いをしました。やはりそうなんだなって。

 パワハラはネガティブなカレンシーになります。その帳尻を合わせるのには、当事者はネガティブなカレンシーで返すしかない。大きなカレンシーに対してはいつまでもネガティブか、あるいは大きなネガティブカレンシーで返すことになります。前者の場合は、これが末代まで続く(んじゃないか)と思うほど、長く続くこともあります(中東地域の緊張関係は旧約聖書のころから、つまり2000年以上続いています)。

 このケースの場合は、サボタージュや低業績という形で、ネガティブカレンシーを会社に返しているということでしょう。これがあと10年続くと思ったら、マネジャーとしては穏やかではありません。
 会社にとっても悪い影響はおよぶはず。もしパワハラ被害者が大勢いる組織だったらどうなるでしょう。将来にわたって、業績が低下していくのが想像できます。

 パワハラをやめるのは、将来への備えという面もある、そう確信しました。即やめましょう!

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