2018年4月15日日曜日

ある編集者のすごい力

 幻冬社、という出版社が設立されたときのことを覚えています。創業を宣言する新聞広告にインパクトがあった。それから20年あまり、幻冬社の本を数え切れないほど読んできたと思います。

 その創業者が見城徹氏。この本を読んで、彼のプロフェッショナルの影響力に感服しました。

 若い見城氏が角川に入社したころ、作家石原慎太郎はまだ角川で書いたことがなかったそうです。彼は石原氏に書いてもらおうと、考えます。初めて原稿を依頼する作家の本はすべて読むのが彼のスタイルです。多くの編集者がそに作家のベストセラーしか読まないそうですから、大きな違いですね。私が書き手だったら、「先生の本はすべて読みました」という編集者を信頼します。自分の業績を理解しているというのは、大きなカレンシーになる。でも、相手の業績を理解して認める人、実際は少ないですね。

 石原氏に書いてもらうのは容易なことじゃないと感じた見城氏は、さらに大きなカレンシーを用意します。それは、石原慎太郎のベストセラー「太陽の季節」の暗唱です。丸暗記して口に出せるって、すごいですよ。よほどの思い入れがなければ、そんなことをしない。本気でなければ暗唱しないではないですか!

 これにはさすがの石原氏も、もうわかったからいいよ、と言って執筆を約束をする。すごいカレンシーの交換です!結果、その後見城氏は、角川、幻冬社を通じて石原氏に数十冊の原稿を書いてもらったそうです。

 本気で大きな結果を得たければ、これぐらいの覚悟を示す必要があるという好例です。自分にどんな応用ができるだろうか。

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