2016年4月19日火曜日

相手のコストをカバーする

「同等な価値をもつカレンシーを見つけることはなかなか難しい。しかしこの方法によって、どうしても相手の利益を示せない時であっても、価値の交換が可能となる」(『影響力の法則 現代組織を生き抜くバイブル』p188)

 会社の幹部を味方につけるのがうまいマネジャーは、こちらの提案を幹部が役員会で話すための資料をつくっています。誰でもやっていると思うかもしれませんが、そのまま話せるように作り込んでいるかどうかがちがいます。
 そんな、彼らは、幹部の労力をカバーすることで、交換しているというわけですね。

2016年4月5日火曜日

メンバーに求められる役割 3

・パートナーに大きな間違いをさせない
・パートナーが悪く見えるようなことはさせない
・行動を起こす前に、必ずパートナーに必要な情報を伝える
(『影響力の法則 現代組織を生き抜くバイブル』p220)


 リーダーとフォロワーがパートナー関係であるとすると、双方がパートナーを尊重しなければなりません。そこで注意すべきが上記の3点であると、コーエン&ブラッドフォードは述べています。

 リーダーとしては足元をすくわれるのではないか、と感じると、思い切った判断ができません。でも、有能な部下に限って、これらの原則に反することがあります。例えば、勝手にチームの方針と異なる方向へ動き出してしまうこともあります。そういうリーダーの悩みを時々耳にします。

 そのような部下は、自分の方が上だということを確かめたいのかもしれませんね。でもそれは無駄どころか自分にも悪い結果が待っていることになる。チームがよい結果を出せなくなってしまいますし、組織では、そのような部下の言動はみんなが見ていますから、信頼を損なってしまい影響力が低下してしまいます。

メンバーに求められる役割 2

「マネジメントがうまくいっているかどうかを知っているのは、部下なのだ」(『影響力の法則 現代組織を生き抜くバイブル』p219)

 リーダーはある方向を示したいと思っているかもしれませんが、方向性が明確になっているかどうかをわかっているのは、フォロワーの方です。フォロワーに尋ねれば、明確かどうかはわかります。先日、ある会社の管理職を集めた席で、部門の目標は?と尋ねたところ、答えられない方が半分ぐらいいらっしゃって、一同冷や汗をかきました。でも、これが平均的な現実と思います。

 リーダーがフォロワーに依存する度合いは高まっていますから、上下関係というよりも、パートナーシップを目指そう、というのが、「影響力の法則」の提案です。

2016年4月4日月曜日

メンバーに求められる役割

「上司といえどもすべてに対応できるわけではない」(『影響力の法則 現代組織を生き抜くバイブル』p219)

 投資家、顧客の要求は強まる一方。リーダーには、目標達成への責任が重くのしかかっています。他方では社会の問題、顧客の要請、製品の品質など、課題は複雑さも高まっており、リーダーひとりで解決できるような単純な課題は少なくなっています。

 自動車メーカーの本社を訪ねたとき、開発部門の管理職クラスのリーダーの多くが機械工学専攻なのに、部下たちの多くがエレクトロニクス専攻だったのが印象的でした。事故防止、環境対策といった難題に応えるため、現在の自動車にはいくつものコンピュータが装着されており、自動車はロボット化しています。少なくともエレクトロニクスに関しては、部下の方が知識を持っています。

 それなのに、メンバーの協力的が得られなければ、身動きとれなくなってしまう。リーダーシップを発揮できなければ、チームは平凡な結果しか生み出せないでしょう。

 リーダーが何でもできる、と考えるのはやめましょう。メンバーとしてどのようにチームに貢献できるかを考え、チームの責任を共有するのが、メンバーに求められる役割です。