この創業者の自伝「私のウォルマート商法」(講談社+α文庫)を読んでいるんですが、これがおもしろい。商人のあるべき姿を実践してきた人なんだろうと、思わされます。そんな話が、日本語の文庫で400ページにもなりますから、読み応えもあります。
その自伝の最後の章に、成功のための10カ条」というのがあります。その中のいくつかは、経営者が部下や顧客、取引先との間で交わす「カレンシーの交換」そのものでした。
以下がその各項です。
以下がその各項です。
法則2 「利益をすべて従業員と分かち合いなさい」
金銭による報酬そのものよりも、「パートナーとして遇する」点を強調しているのにうなづきます。
法則3 「パートナーの意欲を引き出しなさい」
様々な刺激を与えること。競争や目標、点数をつけるなど。
法則4「パートナーと情報を共有しなさい」
社内の情報は、取引先企業には常に価値あるもの。思い切って共有しようということです。
法則5「誰かが会社のためになることをしたら、惜しみなく賞賛しなさい」
金銭だけではダメだと言っています。賞賛され感謝されるのが、部下にとっては大事だと。重要なポイントをついています。
法則6 「成功を祝い、失敗の中にユーモアを見つけなさい」
うまくいかないときは、馬鹿げた衣装を着て歌を歌うといい。みんなも歌いだすから。リラックスすることが大事ということですね。
法則7 「すべての従業員の意見に耳を傾けなさい」
組織の末端から責任と改善策をわき上がらせるには、話を聞かなければならないということです。ごもっともです。
法則8 「お客の期待を超えなさい」
そうすれば、お客は戻ってくる。そして問題があっても、言い訳してはいけないと。そんなことをしては、ネガティブカレンシーの応酬になりますからね。
書いてあることは、あたりまえのことばかり。でもこのまま真似してもうまくいかないことが多いんじゃないでしょうか。ですから、みなさん一様に言われます。「理屈ではわかるけど、うまくいかないね」
忘れてはならないのは、これらはウォルトンたちの長年の積み重ねのうちに実現したものだということです。小さな交換から、さまざまな交換を繰り返しているうちに、今のように繁栄するようになったんだろう、というのが、本書を読んでの感想です。
忘れてはならないのは、これらはウォルトンたちの長年の積み重ねのうちに実現したものだということです。小さな交換から、さまざまな交換を繰り返しているうちに、今のように繁栄するようになったんだろう、というのが、本書を読んでの感想です。