2018年12月14日金曜日

みんながやっているから。

ベトナムのマネジャーたちにチームマネジメントの研修を行い、その反応ぶりに感心したのは今年の夏。現地の社長から目に見えて組織の効果が向上したと聞き、いくらかは役立てただろうと喜んでいます。

それ以上に日本のマネジャーのことが心配。
彼の国ではみんな習ったことを早速実践し、試行錯誤して自分のものにしていきます。この夏、昨年からの進展ぶりに驚いたものです。
それに対して、日本のマネジャーで研修で聞いた話をすぐに実践する人は、必ずしも多くないんですよ。ベトナムよりもずっと少ない。
たとえ権威のある先生の話でも、日本のマネジャーは鵜呑みにしません。人事で研修を仕切っていた時に見てきた経験からはそう思います。例えば、ある大学教授から「みんな(マネジャーたち)が真剣に学ばない」とクレームがあって、研究室に作戦を立てに行ったことがあります。

変化の閾値はどの辺りでしょう。
研修内容の良し悪しを判断してなのか…。あまり関係ないかもしれません。
私の感覚では「同僚の3分の1ぐらいが何かやっている」と察知した時に、ようやくざわざわしてきて、半分ぐらいになると突然変わる。そんな感じです。みんなが動くまでは待っているんです。結果動き出しが遅い。(変化が遅いのは企業が社員研修、特に管理職に研修の投資をしない理由になっている)日本の多くのマネジャーにとって学びの最大の動機は、みんながやるから!?

ベトナムのマネジャーたちは、変化を起こすために学びが必要だからと考えています。でも日本では、みんながやるからやる、という人が多い。

それゆえに、現場に変化を起こしたいと考える講師にも「影響力の法則」が必要なんです。影響力を発揮して行動に移させなければなりません。そのとき役立つカレンシーは、「みんなやっていますよ」だったりします。実際、そう言っている人は多いと思います。


ベトナムからは来年もやって、と依頼されています。来年もベトナムは楽しみだな。でもきっと日本のことがもっと心配になるだろうな。

注 変化の閾値は、個人差、会社による個体差、その状況による差があります。研修がつまらないこともあります。

2018年12月12日水曜日

求めること

影響力を発揮できるかどうかは、そもそも求めるもの、求めることが明確であるのが前提です。不明確なときは、影響力もどこかインパクトが弱いままです。

ある会社のマネジャーたちと話していて、多くが部下に何を求めたいのかはっきりしていない。漫然と部下が努力することを要求している。おそらく部下は、何かよく分からなくて混乱している。これでは、上司は部下に地位の力を誇示しているだけ、と言われても仕方ありません。ひどいときは、パワハラになってしまう。

今、ビジネスの環境は厳しさを増しているから、組織はより戦略的でなければなりません。そのなかで、上司は過去の延長線上にない取り組みを、部下に求めているはずです。その方向性が示されなければ、影響力は発揮されない。これは、お客に対しても同じこと。これまでの取引を越えた取り組みを求めるから、影響力が必要なんです。

誰に何を求めますか?