2013年6月10日月曜日

メンバーはリーダーの心を読もうとする

コミュニケーションは常に複雑である。しかも、権限と階層がかかわると、一層誤解しやすくなる。(中略)この経験を積むと、上司の言葉に先入観を抱くようになる。そして、気軽な上司の提案を命令と誤解したり、たいした意味のない仕草から期待を読み取ろうとしてしまうのだ。(コーエン&ブラッドフォード『Power Up 責任共有のリーダーシップ』税務経理協会p176)


   リーダーのささいな一言が、メンバーには気になり、過剰反応することもしばしばあるでしょう。そうして、リーダーは知らず知らずのうちに部下に無駄な時間とエネルギーを消費させてしまうのです。
   新しい郊外のオフィスを視察した幹部が、「ここにヤシの木でもあったら、最高の景色だね」と口にしました。本人は軽い気持ちで言ったのですが、次に来たときは本当にヤシの木の並木になっていた。本書にこんな笑い話があります。他人ごとじゃないですよねえ。
   では、リーダーが言葉に気をつければよいか、というとそういう問題ではないと思います。メンバー側の「リーダーの顔色をうかがっていらないことまで反応してしまう」ということのほうが問題です。そんな彼らは、決まって言うのです。「でも、部長はいいといったじゃないですか」と。

   メンバーの主体性、判断力、責任感を育てない限り、リーダーは苦しむでしょう。そして、組織の力は十分に発揮できない状態が続いていくわけです。

0 件のコメント:

コメントを投稿